【冬】成り立ちと意味を詳しく解説!「冬」は何故「ふゆ」なの?【小学生】【読み方】

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この記事は
・漢字に興味がある方
・漢字を深く勉強をしたい方
・意味の由来やなりたちを詳しく知りたい方
に向けて書かれています。なるべく専門用語などは使わず噛み砕いて解説しているので、軽い気持ちで覗いてみてくださいね

今回の漢字は「冬」だよ

 

 

【冬】5画 トウ・ふゆ
①ふゆ。四季の一つ。最も寒冷な季節

今回は以上の意味について解説します。

 

「冬」ってどんな漢字?

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「冬」は意味やその成り立ちが非常にあいまいであり、資料によって説明がバラバラです。今回はおそらく皆さんにもっとも伝わりやすいであろう説を採用し、わたしの裁量で他の説の共通点がある部分を肉付けしています。今回紹介する説とは全く異なるものが存在することをまずはご理解ください。

 

「冬」の「夂」は食糧を結んだ糸のこと

さて、今回見ていく「冬」は象形文字です。象形文字とは「木」や「皿」のようにそこにあるものの形をそのまま漢字として表した文字のことを言います。
「木」は一本の木が立っている様を「皿」は平たいお皿の形をそれぞれ表している漢字ですが、「冬」(特に「夂」)の場合は糸の端に食糧を結び付けた形を漢字にしています。

 

下側についている「冫」はまた違う意味合いを持っているので、まずは上の「夂」についてみていきましょう。

 

とはいえ、糸の端に食糧を結び付けた形といわれてもよくわかりませんよね。

例えば、昔の人々の主な食糧は自分たちで育てた作物や、山からとってきた山菜、獣などです。
しかし冬になると作物も実りませんし山にも入っていくことができません。寒さや雪が厳しいためです。

 

酷寒と飢えは人々の命を左右します。なので人々は安全に冬を越すために薪と、そして食糧を家の中に蓄えておかなければなりません。

 

「冬」の上側にある「夂(ふゆがしら)」はそのように蓄えてある食糧を糸の両端に結び付け保存してある様子を表している文字ということなのです。

 

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「冬(夂)」の古代文字(甲骨文字

 

糸の両端に食糧が結び付けられている様子であることを踏まえたうえで古代文字を見てみましょう。どことなく「夂」の形に似ていますよね。


頂点にある糸の折り返しの部分でぶら下げているのでしょう。両端についている〇の形が食糧の部分のなります。

 

このことから「冬」特に「夂」は糸の端に食糧を結び付けた形であるといえるのです。

 

確かなことは言えないのですが、この結び付けてある食料というのは肉などの生鮮食品だったのではないかと思います。
冬という環境はそれだけで冷蔵庫の代わりになりますし、寒風にさらせば腐ることもないイメージがあります。


なにより『ゴールデンカムイ』にそのような描写があったように思います。(勘違いかも)


「冬」の「冫」は氷のこと

注意しなければならないのは「冬」の上側にある「夂」だけでは「ふゆ」という意味を表さないということです。「冬」は「夂」と下側の点を合わせて初めて「ふゆ」の意となります。

 

「冬」の下側はもとを「仌(ヒョウ)」の形で構成されていました。
「仌」は「氷(ヒョウ)」のもとの漢字で、「こおり」や「冷たい」「寒冷」の意を指します。

この漢字は後に「冫(にすい)」となり、これが「冬」の下側へとつながっていくのです。

 

なので「冬」は「寒冷(仌)」で「食糧を貯蓄(夂)」しなければならないという形になっているといえます。食糧を家の中に蓄える季節がすなわち「ふゆ」であるというわけなのですね。

 

これって会意文字なんじゃないの?

そこ、もやもやするよね。でも「仌」は寒いってことを強調する記号らしいから、「夂」に着目して象形文字にしているのかもしれないね

 

「冬」の部首は「夂」

「冬」の部首は「夂」です。「夂」には「ちかんむり」という名称がありますが、「夏」の部首である「夊(なつあし)」と揃えるために「ふゆがしら」と呼ばれる場合もあります。

 

ですが「冬」はこの部首に便宜的に分類されたにすぎず、本来の「夂(ちかんむり)」という部首とは意味の上ではあまり関係がありません。

 

また「夊」と「夂」の成り立ちはほぼ同じであり、現在ではほとんど区別されない傾向にあります。「夏」が「夂」に分類されている漢和辞典もあり、非常にあいまいな部首になっています。

 

「冬」は、下側の部分が「仌」からきているというところから、部首を「冫(にすい)」とされたり、あるいは「」にされたりと部首が定まらない漢字です。

 

現在では「冬」の部首の分類に関しては「」と「」が半々くらいの割合になっており、はっきり言ってどっちでもいいというような印象があります。

 

しかしわたしの記事では、やはり「冬」における重要な構成要素は「」であろうと判断し、「冬」の部首は「であるとすることにします。

 

まとめ

  • 「冬」は5画の象形文字。部首は「夂」。
  • 「夂」は糸の端に食糧を結び付けた形。
  • 「冬」の下側は元々「仌」の形。後にこれが「冫」になり「冬」は現在の形になった。

 

うーん、難しい。復習が必要だね

 

おわりに

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「え? もう終わり?」と思われるかもしれません。もう終わりです。

 

そこで「冬」における別の説を一つ紹介します。

白川静先生の説では「冬」特に「夂」は編み物の結び留めた末端であるといいます。

つまり、糸や毛糸を玉結びのようにした部分であるということですね。

その後「夂」の下には「仌」が付き「ふゆ」の意となりました。

 

なので「夂」は食糧を結び付けてなどおらず、純粋に糸だけの表現になっているということになるのです。

 

恐れながら言わせてもらえば、「仌」はともかく「夂」は「ふゆ」という季節につながっていかないのではないかと思います。

つまり編み物を結び留めた末端に氷を付けたらなぜ「ふゆ」になるのかという説明ができないのです。

 

それならば食糧を蓄える凍えるような季節と説明されたほうが、時代背景などから考えても非常にピンとくる形になるのではないかと思います。

そのため今回は、「夂」を純粋な糸ではなく食糧を両端に結び付けた形であると解説させていただきました。

 

漢字にはまだまだ諸説が充満しており、説が一つに定まっていないものがたくさんあります。それらを吟味し考えていく作業というのは、意外にもこうして記事を書いていないと、する機会がないのではないかと思うものです。

教えることは勉強することとはよく言ったものですね。

 

「夏炉冬扇」という四字熟語を知っているかな?

「カロトウセン」? どういう意味?

夏の炉(イロリ)や冬の扇子と同じくらい役に立たないものという意味だよ。わたしはこれを始めてみたとき感動したなぁ

天才ってどの時代にもいるんだね…

参考資料

 

 

 

常用字解 第二版
新漢和大字典 普及版 (一般向辞典)
全訳漢辞海 第四版
新明解国語辞典 第七版

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