【幾】意味と成り立ちを詳しく解説!「いくら」の意味はどこからきてる?【小学生の漢字】【読み方】

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この記事は
・漢字に興味がある方
・漢字の意味の由来を知りたい方
・漢字の成り立ちを詳しく知りたい方
に向けて書かれています。なるべく専門用語などは使わず噛み砕いて解説しているので、軽い気持ちで覗いてみてくださいね

今回の漢字は「幾」だよ

 

 

【幾】12画 キ・いく
①いくつ。いくばく。一から九までの数
②ちかい。ほとんど。~にちかい

 

「幾」ってどんな漢字?

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「幾」は会意文字と呼ばれる漢字です。会意文字とは、2つ以上の漢字の意味組み合わせることであたらしい意味の漢字を作ったものを言います。「日」が「雲」にさえぎられた様子である「曇」や「弓」の「つる(丨)」をひいている様子である「引」など〈行動〉や〈事象〉に比較的多く見られる形といえるでしょう。

 

「幾」は矛先との距離がわずかしかない様子

「幾」は漢字を分解すると2つの「幺(いとがしら)」と「戈(ほこ)」そして「人」に分けることができます。※2つの「幺」は「林」のように同じ漢字が並んだ一文字の漢字ですが文字化けしてしまう可能性が高いため、ここでは2つの「幺」のように書かせていただきます。

 

このうち「幺」は非常に細い糸を象形していることから〈細いもの〉や〈小さいもの〉など様々な意味がありますが、ここでは〈わずか〉の意味で用いられています。

 

「戈」は槍にように柄が長く、先に剣が付いた武器のことです。その下に「人」

があることから、ここでは矛が人を襲っている様子を表しています。

 

なので「幾」は、矛先と人の距離がわずかしかない様子を漢字にしているのです。

人にあたる直前の瞬間ということになります。

 

恐ろしいね…

漢字の成り立ちはこういった恐ろしいものが主流だね

 

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「幾」の古代文字(篆書)上に2つ並んでいるのが「幺」です。その下に「戈」「人」と続いているのがわかります。

なぜ「幺」が2つあるのかについての記述は特にありませんでした。これを説明した説もありましたが、今回の説とは大きくかけ離れているため割愛します。

 

「幾」は9以下の数を示していた

矛先と対象の距離がわずかしかない様子から、「幾」はわずかな数のことである〈いくつ〉や〈いくら〉の意味を持つようになりました。

 

「幾人」や「幾年(いくとせ)」「幾何」など数量や時間を図るときにこの漢字は多く使用されますが、これによって示される数はおおむね9以下であったようです。

 

しかし現在では値段を尋ねるときの「幾ら?」や選択肢を考えるこ時の「幾通りも」など明らかに10を超える場合にも使用されています。

 

確かに10人や10年のことを「幾人」や「幾年」とはあまり表さないかもしれません。 このあたりのさじ加減は非常にあいまいといえるでしょう。

 

確かに15人の人を「幾人か」とは言わないよね。10人以上になったとたん「幾人」はふさわしくない気がするよ

んー、難しい

 

余談ですが「幾何学(キカガク)」とはある図形の大きさが幾らか解き明かす学問のことを言います。幾何学模様はそれらの図形が規則的に並んだ模様のことです。

 

「幾」の部首は「幺」

「幾」の部首は「幺」です。

 

「幺」は〈細いもの〉や〈かすかなもの〉〈小さいもの〉など実に様々な意味がを示しす部首です。これらはすべて細い糸を象形しているところからきています。

力が "かすか(弱い)" ことを示す「幼」などが分かりやすい例です。

 

「幾」では〈かすかなもの〉とほぼ同じ意味である〈わずか〉の意で使用されています。

 

「幾」は矛先に「畿」はみやこに〈ちかい〉

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「幾」と「近」は同義語?

「幾」は、矛先と対象の距離がわずかしかない様子が表現されている漢字です。

矛先が極限まで近づき、ほとんどあたっているように見えることから、「幾」には〈ちかい〉そして〈ほとんど〉という意味があります。

 

ここでの〈ちかい〉は「近」と同義語の扱いですが、現在ではほとんど使用されていません。

 

満月が近いという意味の「幾望(キボウ)」などが見られるものの、一般的ではないといえるでしょう。

 

「畿」は天皇の直轄地周辺

そんな「幾」の〈ちかい〉の意味を使用している漢字が「畿」です。

 

「畿」は漢字を分解すると「幾」と「田」に分けることができます。

「人」の部分がありませんが、ここでの「幾」は省略形の扱いです。

 

「田」には〈特定の場所〉のような意味合いがあり、「畿」では特に天皇の直轄地、すなわち都を示すために使用されています。

 

そのため「畿」は天皇の直轄地の近くを示す漢字となっています。

日本では都にほど近い国や地方を指して「近畿」や「畿内」のように用いてきました。

現在でも京都を含むその周辺の県を近畿地方といいます。

都に近かったためそう呼ばれているのです。

 

キンキキッズ?

めいちゃんもわたしもカントウキッズ

 

まとめ

  • 「幾」は12画の会意文字。部首は「幺」。
  • 「幾」は矛先が人にあたる直前の瞬間を表している漢字。
  • 「幾」は矛先と物の間がわずかであることから、わずかな数字を示す〈いくら〉や〈いくつ〉の意味で用いられるようになった。
  • 「幾」には〈ちかい〉や〈ほとんど〉という意味がある。
  • 「畿」は「幾」と「田」が組み合わさっており、天皇の直轄地の近くを示している。

 

「近畿」の意味初めて知ったよ

 

おわりに

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というわけで今回は「幾」について見ていきました。

 

幾何学模様というと私が真っ先に思いつくのは曼荼羅です。高校時代、私は日本史を専攻していたので両界曼荼羅などを習った覚えがあります。

 

曼荼羅は花のように広がった円形の中に、菩薩や大日に如来が書かれているもので、日本でも密教などに伝わっていたそうです。

菩薩などが書かれているものばかりが有名ですが、実は円形がいくつも重なって書かれた幾何学模様も曼荼羅といいます。

 

フラワー・オブ・ライフという宇宙や自然などすべてを指し示す図形とされているものがあり、これと似ているなぁなんて思っていたら、フラワー・オブ・ライフは日本語で神聖幾何学というのだそうです。

 

もしかしたら曼荼羅もこれを取り入れているのかもしれません。

物事は知らないところで様々繋がっているのですから。

 

参考資料

「白川フォント」

 

 

 

新明解国語辞典 第七版
新漢和大字典 普及版 (一般向辞典)

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