漢字の説明でよく見る甲骨文字とは? 楷書って何なの?

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この記事は漢字の成り立ちを知るうえで重要な字形の変遷について解説しています。甲骨文字や楷書とは何なのか見ていきましょう。なるべく専門用語などは使わず噛み砕いて解説しているので、軽い気持ちで覗いてみてくださいね

コーコツモジ?

 

  

字形の変遷

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現在私たちが使用している漢字の形は楷書体と呼ばれるものです。

しかし、漢字ができた頃の形と現在私たちが目にする形は、当然ですが異なります。

時代背景や、それを使用していた人々の事情によって変化してきたのです。

 

現在、そのような字形の変化における区分としては甲骨文字」「金文」「篆書」「隷書」「楷書」の主に5種類があり、お墓などから出土した骨や鉄、あるいは残された書籍などの資料によって分けられています。

 

使用された時代の範囲もある程度まで判明しているため、その漢字の最古の形はどういったものなのか、いつ頃作られたのかといったことを大まかに知ることが可能です。

 

甲骨文字

甲骨文字は、殷の時代の後半(紀元前1300年〜紀元前1050年頃)に作られた文字です。

 

主に亀の腹の甲羅や牛の骨などに刻まれた文字を言います。

骨に刻みやすいように、直線の字形が多く、画数が少ないのが特徴です。

 

昔の人々は、甲羅や骨を焼き、そこに入った罅(ひび)の方向で未来を占っていました。

そのため甲骨文字には、それら占いの結果や内容を記すために使用されたものが多く残っています。

 

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右:「日」の古代文字(甲骨文字)

左:「魚」の古代文字(甲骨文字)

※スマホでは左右は上下になっています。ご注意を。

 

金文

金文は、殷の時代から周の時代(紀元前1050年〜紀元前249年頃)に作られた文字です。

 

主に青銅器などうつわの内側に刻まれた文字を言います。

当時青銅器は重要な情報媒体であり、骨などよりも刻みやすかったため、曲線的で、画数が多いのが特徴です。

このように鉄や石の器などに書かれた文字のことを「銘文」と言い、なかでも金属製の器に書かれたものを「金文」としています。

 

この頃には、祖先神を祀る祭祀や儀礼が頻繁に行われていました。青銅器はその儀礼の際に使用された祭器です。

そのため金文には、それら儀礼の内容を記すために使用されたものが多く残っています。

 

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右:「日」の古代文字(金文)
左:「魚」の古代文字(金文)
※スマホでは左右は上下になっています。ご注意を。

 

篆書

篆書(てんしょ)は、秦の始皇帝が戦国時代を勝ち抜き中国を統一した際(紀元前221年)、文字を統一することで定められました。

 

中国では、春秋戦国時代の間に各地でオリジナルの漢字が生まれ、バラバラに使用されているものがありました。

そこで、主に秦の地方で使用されていた文字である「大篆」をもとに、中国の正式な書体として作成したのが篆書です。

 

大篆の字形は非常に複雑で、曲線が多いものであったことから、それをもとにした篆書も曲線が多いものになっています。

 

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右:「日」の古代文字(篆書)
左:「魚」の古代文字(篆書)
※スマホでは左右は上下になっています。ご注意を。

 

隷書

隷書(れいしょ)は、後漢の時代(25〜220年)に定められた文字です。

 

篆書の字形には曲線が多く、当時の人々は短時間に多くの文字を書くことができませんでした。

そこで秦の下級役人が、直線を多く用いることで早く書けるようにした字形が隷書です。

下級役人という身分の低い隷(しもべ)が開発した文字であることから、「隷書」と呼ばれています。

 

隷書はその後、篆書と併用されていましたが、後漢に正式な書体として採用されました。

  

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右:「日」の古代文字(隷書)
左:「魚」の古代文字(隷書)
※スマホでは左右は上下になっています。ご注意を。

 

楷書

楷書は、後漢の時代後期に開発され、唐の時代(618年〜907年)に完成した文字です。

 

後漢の時代以降になると紙が普及し始め、それに伴い柔らかい筆が使用されるようになりました。

そこで、文字の一点一画やとめ、はらいなどを細かく決めた字形が楷書です。

 

唐の時代に入ると、官僚の採用試験である「科挙(かきょ)」が始まり、文字の一点一画をきちんと書く必要性が出てきたため、正しい字形というのが重要になりました。

 

その後、木版などの印刷技術が普及してくる頃になると、楷書は印刷に適した「明朝体」などへと変化していくことになります。

 

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右:「日」(楷書)
左:「魚」(楷書)
※スマホでは左右は上下になっています。ご注意を。

 

参考資料

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新明解国語辞典 第七版

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