【小学六年生の漢字】《創》:「傷」と「創」の違いは? 「創」は何をつくるの?

アイキャッチ【絆創膏】
「バンソウコウ」は傷を癒すためのものですが、漢字を分解してみるとどうでしょう。

 

(キズ)」を「(ツナグ)」「(アブラ)」ということになります。


油はこの場合、ワセリンなどの軟膏薬のことを指しているようにも思えますが、傷口を覆った包帯がずれないようにする粘着剤のことも指すそうです。


また「絆」にはつなぎとめるというような意味があります。


漢字から読み取る絆創膏の用途としては、切り傷をつなぐ為にあるもののようです。

こう考えるとすごく難しい漢字を当てようとしているように見えてしまいますね。

 

ちなみにバンドエイドとは商品名だそうです。オセロ=リバーシのようなものでしょう。

ばんそうこうUlrike LeoneによるPixabayからの画像 

 

というわけで今回は「創」という漢字を見ていきます。

 

 

「創」ってどんな漢字?

ほのおJens RaschによるPixabayからの画像 

 

「創」は12画の形成文字です。(形成文字が分からない方はクリックしてみてください)

 

「創」は刀を表す部首「刂」に、音を表す「倉」を組み合わせてできている漢字です。

 

「創」はもともと「槍」に刺されることによってできたキズのことを指します。

 

「槍」で突くことを「搶(ソウ)」といい、そのキズが「創」を表しています。

さらにその傷跡を「瘡(ソウ)」といい、すなわち「瘡蓋(カサブタ)」のことを意味するのです。


しかし倉」はあくまでも音であり、「倉」自体にヤリやキズという意味はありません

 

かきじゅん


書き順はこのようにはじまります。今回は特に確認することはありません。


「倉」という字が難しいものの、この字を習う小学六年生の時点で「倉」は習っているはずなので知っている漢字同士が組み合わさった漢字であるといえます。

 

「創」の前に「槍」があったり、音が連続しているのは面白いね

こういった例は珍しいから余計に面白く感じるね! ほかにも例がないか探してみよう!

 

「傷」と「創」の違いは心か身体か

やけどMichael SchwarzenbergerによるPixabayからの画像 

 

「創」におけるキズの意は先に記した通りです。


「倉」の音を連続させる形で、「槍」とそれによるキズや傷跡を表します。
その途中に位置しているのが「創」なのです。

これを簡単に表すと以下のようになります。

 

「槍」→「搶」→「創」→「瘡」

 

「瘡」の字は介護や医療現場において、「褥瘡」ということばによって頻繁にでてきます。
現代では当然槍による刃傷沙汰はありません。そのため「創」も「瘡」も身体の傷全般に用いられるのです。


しかし「創」のほかにキズを表す漢字として「傷」があります。
「火傷(ヤケド)」や「凍傷」などキズを表す漢字としては「傷」の方が一般的です。


「傷」は太陽の陽光を遮ることで、人の精気が衰えている様子を表す漢字です。
陽光を失った人たちは、最終的にはその命を終わらせることになります。このことから「傷」は身体へのキズを意味するようになりました。

また、精気が衰えてくるということから「傷心」や「感傷」など心に対する傷にも用いられるようになったのです。


上記の内容を整理すると、

 

「創」槍による傷がもとの意味。身体へのキズにのみ用いられる
「傷」陽光がささず人が衰えることを表す。心と身体にあるすべてのキズに対して用いられる

 

ということになります。

「創」は多くの場合槍の傷など刀傷や刃物のキズにのみ使用されており、非常に限定的でした。しかし「傷」は身体のキズ全般に用いられています。

 

そのため「創」よりも「傷」の方が一般的に用いられるようになったのだと考えられます。

 

「火傷」「凍傷」…熱いのも寒いのもやだなぁ

 

「創」のもとの字は「刱」

てつPexelsによるPixabayからの画像 

 

ここまでは「創」のキズの意について見ていきました。


しかし「創」にはもうひとつ、つくる・はじめるという意味があります。

ある意味キズなどとは反対の意味のように感じます。何故このような意味が「創」にはあるのでしょうか。

 

そもそも「創」は「刱(ソウ)」という漢字の異体字とされています。もともとは「刱」という漢字が正字として存在していたのです。

 

「刱」は鋳型の枠を表す漢字である「井(セイ)」「刀(刂)」を組み合わせた会意文字です。(会意文字が分からない方はクリックしてみてください)
「刱」は鋳型にはまった器を刀で取り出している様子から、ものをつくる、あるいはそこから転じて物事をはじめるという意味で用いられていました

 

しかしこの漢字は途中で廃止され使用されなくなり、かわりにつくるという意味があてられた漢字が「創」なのです。


このことから「創」にはつくる・はじめるという意味が付与されました。
そのため、語源から考えて「創」がつくっているものは鋳物ということになるのです。


一方、このほかに「刱」から「井」をはずした「刅(ソウ)」という字があります。

「刅」は「刃」と「一」が組み合わさった漢字で、刃物による身体へのキズを意味しています。
この漢字も「刱」と同じく廃止されることで使用されなくなり、「創」があてられました。

 

「創」槍によるキズ


「刱」つくる、はじめ


「刅」刃物によるキズ

 

つまり、これらの漢字は独立した別々の漢字だったものの「創」だけが現代に残ったということです。


先に「創」は身体の傷全般に用いられるということを書きましたが、これは「刅」という字がその意味を表していたからということが分かります。「刅」の意味が加わったことにより「創」が槍のキズ以外のものも表すようになったということです。

 

これらのことから結果的に「創」はキズとつくるのふたつの意味を獲得することになったのです。

 

なんで「刱」「刅」の意味は「創」に与えられたんだろう?

「創」は「刱」の異体字だったから、意味が流れてきたということだと思うよ。「刅」の場合は「刱」との関係から会意形成文字のような位置づけになっているかもしれないね

 

同じく「刂」が部首の漢字のなかで、つくるを意味する漢字に「制」があります。

是非チェックしてみてください。

 


 まとめ

  • 「創」は12画の形成文字。
  • 「創」は槍によるキズを表し、「瘡」はそのカサブタを表す。
  • 「創」は身体のキズ全般に用い、「傷」は心と身体すべてのキズを表す。
  • 「創」には「刱」と「刅」の漢字の意味が付与されている。このことから「創」ははじめるやつくるを表す。

 

刂部の漢字は意味があ複雑だなぁ

 

おわりに

ねこSimone_phによるPixabayからの画像 

 

最後に書いた「創」「刱」「刅」の漢字の関係は「創」の異体字に「𠟐」があることや、漢字が廃止された背景など調べればどこまでも突き詰められそうな感じがありますが、今回はできるだけ簡略化して書かせていただきました。

「刱」にはくるという意味があり、「創」に移されたことだけ伝わればよいというふうに考えています。

 

今回のように漢字のなりたちや語源を調べていくと全く見たこともない漢字に出会うことがあります。
難しく考えすぎず、その漢字の意味を調べていけば自分の知っている漢字と通ずるものがあるかもしれません。

漢字の醍醐味はこういったところにもあるものです。


というわけで今回は「創」という漢字を見ていきました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。ではまた次の漢字で!

 

実はキズと読む漢字は「創」と「傷」だけじゃないんだよ

え? 身体のキズと心のキズ・・・あと他には何を表すの?

商品の「疵」宝石の「瑕」、痍戧玼瘕瘡・・・

うわぁー!

参考資料

別表 学年別漢字配当表:文部科学省

 

 

 

 

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