【小学一年生の漢字】《本》:「本」と「元」の違いは? 何で書籍を表すの?

アイキャッチ【和綴じ本】

突然ですが、わたしは読書が好きで毎年100冊は読むようにしています。
江戸川乱歩が好きで、十二国記シリーズが好きなのですが、わたしはそれ以前に書籍という媒体が好きなのです。

 

和綴じ本は糸で縫って綴じてある本をいいます。大河ドラマなどで目にする機会が多いかもしれません。
数百年前からあり明治時代まで発行されていました。

 

わたしは大学時代にこの和綴じの本を自分で購入して研究したことがあります。

元々武士だった人が書いた参考書や、明治時代に小学校ができたころに発行された教科書などを調べました。

実は当時の教科書は外国の本の翻訳である場合が多いため、今の教科書よりもよっぽど学術的で詳しい内容が書いてあるのです。
この研究は大学時代すごく楽しかった思い出のこの研究はひとつとなっています。

 

今回は難読漢字でもことわざでもなく私の趣味についての話でした。

 

ちなみにわたしのように書籍そのものがすきな人間を愛書家というそうです。
名前がついているくらいですから先人がたくさんいたのだと思うとうれしくなりますね。

ほんMichal JarmolukによるPixabayからの画像 

 

というわけで今回は「本」という漢字を見ていきます。

 

 

「本」ってどんな漢字?

ほんPezibearによるPixabayからの画像 

 

「本」は5画の指事文字です。

「本」は「木」の下部に記号(点)を入れることで、その部分が目立つように強調された形でなりたちました。 

 

「本」が「木」の下部を表しているからといって株を表しているわけではありません。
実際には株のさらに下側である木の根を表しているのです。

※ダジャレではありません。

 

また、木の根を表していることから転じて「本」には基(もとい)などの意味が付けられました

基は「基礎」や「基盤」などの漢字からも分かる通り土台のことを言います。

つまり木における土台すなわち木の根ということになるのです。

 

http://www.dl.is.ritsumei.ac.jp/Shirakawa/search/gallery-images/U+672C_tenbun-1.svg

 「本」のなりたち【篆書】

 

「本」がなりたった当初では記号は下部を示す点でしたが、篆書を経ることによって現在では「木」の下部に「一」が付けられた形になっています。
下部を示す強調記号ということなのです。

 

かきじゅん

 

書き順で確認してみると、このようになります。
「一」は5画目です。
「木」のページでも書いていますが「木」の2画目は幹ではなく根を表しています。そのため「本」はまさしく根を指しているといえるのです。

 

 

木の土台が木の根っていうのは覚えやすね

もともと連想によって意味が付けられているからそこに沿って覚えていけば自然に意味も覚えられるという理屈だね!

 

「木」の下部に「一」を入れた漢字が「本」なのに対し、上部に「一」を入れた漢字に「末」があります。


「末」は「本」とは反対に枝先を表している漢字です。

そのため【本末転倒】などの四字熟語にも表れているように、この2つの漢字の意味はきれいに逆なのです。

 

「本」の意味を知れば「末」の意味も分かるといっても過言ではないかもしれません。

 

 

「本」は根元で「元」は人の頭

ほんDaria GłodowskaによるPixabayからの画像 

 

「本」が木の根を表し、そこから転じて基など土台の意に用いられるようになったことは先に述べた通りです。


ところで植物の生長過程において根は種から最も最初に現れるものです。

根は土から養分をとり芽が生えやがて木となります。

つまり根は木の始まりとなるわけです

 

このことから「本」は物事のはじまりもともとおおもとなどの意味を持つようになりました。

 

これははじめからあるものといった意味の「本来」もともとある能力といった意味の「本能」などに用いられています。

 

また、「本」と同じくはじまりや、おおもとの意味を持つ漢字として「元」があります。

「元」は人の首の部分を大きく表した象形文字で、人を横から見た様子を指しています。

 

首は人の体の中でも最も重要であり、最も上にあることから「元」はおおもとを表すようになりました

そして、おおもとはものの基本をいうことから、「元」は元号の最初を表す「元年」や最初の先祖を表す「元祖」などはじまりという意味に用いられたのです


このことから、「本」も「元」も同じく「もと」の訓を持ち、ほとんど同じ意味の漢字といえますが、なりたちが異なるということが分かります。

 

「本」と「元」に違いや使い分けはないの?

はじまりの意味に関しては特になさそうだね。「元」は「元君」や「元首」のように人々の長の意味で使う場合が多いから字源の違いが最大の違いということになるね

 

このほかおおもとやはじめを表す漢字としては「原」があります。「原」は川の始まりを表す漢字です。

気になる方は是非チェックしてみてください。

書籍を表す「本」

ほんDariusz SankowskiによるPixabayからの画像 

 

「本」には木の根やはじまりの意のほかに書籍の意があります。

 

まず「本」は1本2本のように単位として用いられています。

これはもともと草木を数える単位として用いられていたものです。そしてその後、細長いものを数える単位としても「本」が使われるようになりました。

 

現在わたし達もペットボトルや花を1本2本と数えますね。このように草木や細長いものを数える単位としては現在でも使われています。

 

当時の書籍には木簡竹簡、あるいは巻物などがありました。これらは現在私達が目にしている書籍とは全く違い非常に細長い形状をしています。

このことから「本」は書籍を数えるときにも用いられ、そのまま書籍を表す漢字となったのです。

 

「本」という単位が書籍を表すようになった理由としては、書写をするための手本となったものを「本」といったのが始まりだそうです。もともとはそれだけを表していましたが、後に1本2本と数える書籍全般を表すようになりました。これはわたしが調べた内容ではなく伝聞ですので正確ではないかもしれません。はっきりしたことが分かりましたらまたここに追記させていただきます。

 

まとめ

  • 「本」は5画の指事文字。
  • 「本」は「木」に「一」がついた形で、根を表す。
  • 「本」はおおもとや始まりという意味がある。
  • 「元」や「原」にもおおもとやはじまりの意があるが「本」とは字源が違う。
  • 「本」が書籍を表すのは、細長いものを数えるときの単位にしたのが始まり。

 

「本」は意味が多いけれど全部木の根からできているんだな!

 

おわりに

くろねこАлексей БоярскихによるPixabayからの画像 

 

「本」は何度も書いている通り木の根を表す漢字です。しかしそこから派生する意味が多く、動詞的な用法や副詞的な用法などもあり非常に複雑になっていしまうため、今回は一部の意味を省略させていただきました。

 

例えば「本」にはものごとの根拠という意味でもとづくという動詞的な意味や、「本意」「本旨」といったほんとうのことという意味などがあります。
しかしこれらの意味は基本的に木の根がもとになっているものです。

 

つまり、「本」が木の根を表しているということがわかればこれらの意味はすぐに理解することが可能です。そのためこの記事では木の根ということばを何回も登場させました。

みなさんの脳内に木の根が刷り込まれたのではないかと思います。

 

「本」のその他の意味は「根」や「基」の記事で多少触れようと思いますので少々お待ちください!

 

というわけで今回は「本」という漢字を見ていきました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。ではまた次の漢字で!

 

わたし達が住んでいる国は「日本」だけれど、「日本」以外に言い方に「日ノ本(ひのもと)ということばがあるよ

ヒノモト? 

うん。「日ノ本」は昔のことばで日本は日が昇る国にあるという意味なんだ

えー、それだと世界中全部日本になっちゃうね

参考資料

別表 学年別漢字配当表:文部科学省

「白川フォント」

 

 

 

 

 

 

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