【終】意味と成り立ちを詳しく解説!「終」は何が終わるの?【小学生】【読み方】

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この記事は
・漢字に興味がある方
・漢字を深く勉強をしたい方
・意味の由来やなりたちを詳しく知りたい方
に向けて書かれています。なるべく専門用語などは使わず噛み砕いて解説しているので、軽い気持ちで覗いてみてくださいね

今回の漢字は「終」だよ

 

 

【終】11画 シュウ・おわる・おえる・おわり・ついに
①おわる。結びとする。完了する
②おわり。結果
③ついに。とうとう。しまいに

今回は以上の意味について解説します。(番号は解説の順番になっています)

 

「終」ってどんな漢字?

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よくありがちな解釈として「終」にある「冬」は1年の季節の終わりだからこの字がつけられた、というものがあります。

結論から言えばそれは間違いです。漢字を覚えるだけならばそれでも問題ないかもしれませんが、なりたちから大きくずれているといえます。

そのあたりを踏まえたうえで、「終」の成り立ちと構成についてみていきましょう。

 

「冬」は食糧を蓄えている様子

さて、今回見ていく「終」は11画の会意形成文字です。形成文字とは象形文字に音を表す漢字をつけることで新しく作られた漢字のことをいいます。つまり「形」に「声(音)」を足しているということになります。
「終」の場合は「糸」という象形文字に「冬(トウ)」を組み合わせた漢字であるため、「冬」が「終」の音になっています。 

 

「え? 「冬」は「シュウ」じゃないよ」と思われるかもしれません。その通り。
これはつまり成り立ちの上では「冬」は「終」の音になっているものの、現在では変化しており「トウ」の原型はなくなっているということになります。

時代が進むにつれて「トウ」が「シュウ」の音になったというわけですね。


少しややこしいものの、「終」が形声文字という点はあまり重要ではないので頭の片隅にとどめておく程度で問題ないでしょう。

 

ですが音は関係なくとも、「冬」の意は「終」の字に深くかかわっています。「終」は会意形声文字ですから、「冬」の意味も使用しているのです。

そのためまずは「冬」の字の解説から始めていきましょう。

 

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「冬」の古代文字(甲骨文字


「冬」の古代文字はこのような形です。パッと見た漢字では「冬」とは似ても似つかないように見えます。

実は「冬」の字はもともと上の側にある「夂(ふゆがしら)」だけの形でした。下側にある「冫」は最初存在していなかったのです。

なのでこのころの古代文字には「冫」の部分は書かれていないということになります。それを意識し見るとなんとなく「夂」に見えますよね。

 

「夂」は冬を越すために蓄えてある食糧をひもの先端に結んで保存している様子を表した象形文字です。

生肉などをひもの両端に結んで、真ん中で吊るしているということです。

 

昔の人々は普段、自分たちで育てた穀物やとってきた山菜や獣を主な食としていましたが、冬になると外に出ていくこともできなくなるため家の中に薪や食糧を蓄えていました。
つまり冬越しのための備蓄を準備していたのです。


こうした食糧の蓄えはもともと冬の季節に行われていました。そのため「夂」の下に「冫(氷)」をつけることで寒さを強調し、「食糧を蓄えなければならない寒い季節」すなわち「ふゆ」という意味の漢字として「冬」は用いられていきました。

  

 

「冬」には「おわり」の意味があった

ところで「冬」は「夂」の形だった時「おわり」という意味を持っていました。

それをよく示しているのが以下の古代文字です。

 

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左:「冬」の古代文字(甲骨文字)右:「終」の古代文字(甲骨文字)   

 

左側が先に見た「冬」の甲骨文字、右側が「終」の甲骨文字です。
細かい違いはあるものの全く同じ形に見えますね。

 

「終」の古代文字が「冬」の古代文字と全く同じであることから、「冬」には当初「おわり」という意味があったと考えられます。

 

しかし「夂」に「冫」が付いたことによって「冬」はだんだんと「ふゆ」の意味でしか使用されなくなっていきました。

 

「終」は紐が終わっている

そこで新しく「おわる」の意味の漢字として作られたのが「終」なのです。

 

先にも書いたように「冬」特に「夂」は蓄えてある食糧をひもの先端に結んでいる形をしています。

「終」ではその意味のなかでも「ひもの先端」の部分が使われており、紐の先端すなわり紐の終わりの部分という解釈がなされているのです。

 

「夂」でもこれは同様であり、つまり「冬に食糧を結ぶ部分」を「紐の終わりの部分」と表現していました。

 

「終」はそこに「糸」をつけることによって紐あるいはひも状のものであることを強調し、「紐(糸)」の「先端(夂)」を「おわり」の部分であるとしたのです。

 

なので「終」は紐にその先がなく、終わっているのだといえるのです。

このことから「終」には完了を意味する「おわる」や結果を意味する「おわり」を表す漢字として現在でも用いられています。

 

紐のその先がないからそこで終了ってことだね

めいちゃんってわたしより解説がうまい…

 

「終」の部首は「糸」

「終」の部首は「糸」です。

これは「枝」や「株」などと同じく後からつけられた部首であるため、便宜上のものですが、へんになっているため大変わかりやすいといえるでしょう。

 

 

「終」も「了」も糸(紐)の終わり

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ところで「終」と同じく糸や紐が関係する、「おわり」を表す漢字に「了」があります。

「終了」や「完了」などに使われていることからも「終」と同じ意味であることは分かりますよね。

 

「了」は1本の糸が縺(もつ)れる、つまり絡まっている様子を象形文字にしたものです。

イメージとしては糸の先端や中間部分が玉結びの世に絡まってしまい、そこから先に糸を通せないといった状態でしょうか。

 

そのため糸はその部分で終わってしまい、使い物にならないというところから「了」には「おわる」という意味が付いているのです。

 

「終」は紐の先端を示すことで「おわり」を表しており、「了」は糸が絡まっている様子から「おわり」を表していました。

この2つの漢字は糸や紐など線状のものから「おわり」の意を連想していましたが、直黙している部分が微妙にずれていることが、なりたちからわかりますよね。

 

糸や紐はわかりやすく長く続いているものの中で、生活に最も身近にあったものであるといえます。

そのため始終、とくに終を連想しやすいものだったのではないかと考えられるでしょう。

 

「了」の字って「子」に似てるね

資料では成り立ちは全然違うって解釈のほうが多いね、その2つの漢字は

 

 まとめ

  • 「終」は11画の会意形声文字。部首は「糸」。
  • 「冬」はもともと「おわり」の意味を持っていたが、途中から「ふゆ」の意味でしか用いられなくなった。そのため新しく「終」が作られた。
  • 「終」は紐にその先がなく、終わっているから「おわる」の意味がある。
  • 「了」は糸が絡まっているから終わっている

 

「終」はその前に「冬」の字をしっかり理解していないとだめだね

 

おわりに

 今回は「終」を見ていきました。

「終」も「冬」と同じ成り立ちに諸説ある漢字なのですが、「終」では「夂」の先端が結ばれているという点が重要であるため、今回は私が「冬」で紹介した説をそのまま引用する形をとりました。

ある程度の整合性は取れていると思いますし、成り立ちの説明の上では支障はないのでご安心ください。

 

最近では記事の比較の漢字を1文字に、「○ってどんな漢字?」の章以外のところを一つに絞って記事を書いています。

 

理由としては「○ってどんな漢字?」のところに重点を置き、その部分を濃くしたいからです。

このブログの記事を連続してみてくださっている方もいらっしゃるようですが、やはり記事を開くにあたっての動機はタイトルになっている漢字の成り立ちを知りたいからであると思います。

 

であれば「○ってどんな漢字?」以外の部分はいわばおまけということになります。

ならばその部分を厚くしていくことがやはり必要なのではないかと判断しました。

 

とはいえ、比較の漢字はその漢字の意味や成り立ちを知るうえで大変重要な役割を持っているものもあるためそこは臨機応変にやっていきたいと思います。

 

参考資料

 

 

 

常用字解 第二版
新漢和大字典 普及版 (一般向辞典)
全訳漢辞海 第四版
新明解国語辞典 第七版

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